出典:金融広報中央委員会 知るぽると「家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)」を基に筆者作成
60代で2000万円以上の貯蓄がある世帯は、二人以上世帯で38.0%、単身世帯で34.8%いることが分かりました。一方で、貯蓄が500万円未満の世帯も二人以上世帯で約25%、単身世帯では約34%存在しており、貯蓄状況には大きな差があるといえるでしょう。
60代の平均貯蓄額は二人以上世帯が2588万円、単身世帯で2240万円と高額に見えますが、これは、一部の富裕層が全体の数字を押し上げているためと考えられます。これに対して中央値は二人以上世帯が1200万円、単身世帯が1100万円であり、多くの世帯がこの水準であることを示しています。
老後資金として2000万円を貯める方法
老後資金として2000万円を貯めるには、長期的な計画を立てることと、生活スタイルの見直しがポイントです。ここでは、「長く働くことで安定した収入を得る方法」と「固定費の見直し」について紹介します。
長く働いて安定した収入を得る
体が元気であれば、働き続けることは老後資金を補うための大切な手段です。労働による収入があれば、日々の生活費をカバーでき、貯蓄の取り崩しを抑えられます。仕事の量や責任の大きさを現役時代と同じレベルに保つ必要はありません。無理をせず適度に働くことが、健康や精神面においてもプラスに働くでしょう。
これまでの職歴やスキルを生かした仕事を選ぶと、職場環境に慣れる手間が省け、収入も安定しやすくなるかもしれません。例えば、定年後の再雇用制度を利用して現在の職場で継続して働いたり、新たにパートやフリーランスとして働いたりする選択肢があります。
固定費の見直しを行う
老後資金を効率的に貯めるためには、支出の中でも家賃、水道光熱費、スマホ代など毎月一定額で支出される固定費を見直すことが効果的です。例えば、家賃では更新時に値下げ交渉を行ったり、より安い物件へ引っ越したりすることが考えられます。水道光熱費では、契約プランを見直したり、より安い料金プランを提供する会社に切り替えたりすることで節約が可能です。