ちなみにSNSに謝罪投稿があったタイミングで、私はそれを引用し、その時点でのお気持ち表明を行っています。
直後、番組プロデューサーから編集部を通じて、直接の報告と謝罪をしたい旨の連絡がありました。しかし「あすは13:30以降であれば可能です」この一文に私はちょっとした怒りを覚えてしまいました。
何をこっちの都合も聞かず、一方的に指定してきとんねん!
この件については後日、“少しでも早く対面での謝罪を”という気持ちからであるとの釈明を受けました。編集部もそう受け取っていたようですし、今となれば私もそうであることは容易に理解ができます。
しかし、これは当時の私の感情がどれほど昂(たかぶ)っていたかという表れでもあります。もしかしたら、私の姿を死刑囚と誤解して生きていく人が世の中にいるかもしれないこと。私の家族がその誤解の被害をこうむるかもしれないこと。その恐怖はなかなかのものでしたから。
実際、この件がニュースになると、SNSやヤフーで「なぜ木嶋佳苗が外に出てる写真があるのかと思った」などのコメントは幾(いく)つか見受けられました。つまり訂正がなければ、私の危惧が現実になった未来はあったと思います。
同時に私は、この時点で番組側と対峙することは無意味であるとも考えていました。経緯の詳細も知らされていない状態で会ってしまえば、きっと私は彼らに自分の感情をぶつけてしまうだけ。そんな私に番組側はひたすら謝罪。手土産の菓子折り一つでも渡されて、すべて終わらせられてしまうであろう、と。