イメージ(写真AC)
『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)に1万組以上がエントリーし、世は空前のお笑いブーム、いや、「お笑いを自分がやる」ブームの真っただ中にある。
その一方で、今年も数々のコンビやトリオが解散していった。積み重ねた実績も、嘱望された未来も、その時点でリセットされる「解散」を選んだ芸人たちを振り返りたい。
プラス・マイナス
異様な光景だった。昨年、漫才界の権威である「上方漫才大賞」を受賞し、『THE SECOND』(フジテレビ系)でもベスト32に残っていたプラス・マイナスの岩橋良昌が突然SNS上で「プラスマイナスも解散です どうか兼光を応援してあげて下さい」と宣言。その数日前から不安定な投稿を繰り返していたが、相方の兼光タカシには一切連絡もなく、一方的な解散宣言だった。
これを受けて兼光も自らのSNSアカウントで解散を報告。
「あまりにも急で驚かれている方も多いと思いますが、僕も寝耳に水といった感じです」
そう率直に心情を述べるしかなかった。
その後、兼光はピン芸人として活動を開始。ピンとして初めて立ったNGK(なんばグランド花月)での出番では、登場しただけで万雷の拍手を受けたという。
持ち前のモノマネ芸に加えて、解散をネタにした“解散漫談”にも磨きをかけている兼光。一方の岩橋は吉本興業を退社し、「シャドウ岩橋」として全国のイベントを駆け回り、YouTubeでの活動も活発になっているようだ。
和牛
昨年末、週刊誌にスッパ抜かれる形で解散が発表された和牛。『M-1』で5度のファイナル進出、3度の準優勝という実績を残したコンビの解散劇としては、いかにも寂しいものだった。
解散直前の3月29日に放送された冠番組『和牛のモーモーラジオ』(文化放送)の最終回には、2人のコンビ結成のきっかけとなったピン芸人・バイク川崎バイクと、15年にわたってユニット「アキナ牛シュタイン」として活動してきたアインシュタインが出演していた。