65歳から80歳までの15年間で貯まる余剰金は566万5500円、80歳から90歳までの10年間で不足する金額は222万3000円です。
566万5500円(余剰金)-222万3000円(不足額)=344万2500円
つまり、65歳で定年退職し、80歳までパートとして月5万円の収入がある場合、平均的な収支であれば、90歳まで1人で生活しても344万2500円の余剰金が出ることになります。
ただし上記の計算では、医療費などの突発的な出費を考慮していません。病気やけがで医療費がかかり、その間パートで働けなくなった場合、貯蓄できる金額は少なくなるでしょう。
年金を受給しつつ定年後も働き続けることで生活を維持することは可能と考えられる
受け取る年金額にもよりますが、年金を受給しつつ定年後も働き続けることで、生活を維持することは可能でしょう。年金を受け取りながら定年後も働き続けるという生き方には、生活費や老後の資金をしっかりと見積もって、計画的に貯蓄を行うことが必要です。
例えば今回の試算によると、65歳で定年退職し80歳までパートとして月5万円の収入がある場合、平均的な収支であれば、90歳まで1人で生活しても、340万円ほどの余剰金が出ることが分かりました。これは、収入が支出を上回る期間に貯蓄を増やし、収入が減る期間に不足分を補う形になります。
このように、定年後も働き続けることで生活費を補てんし、計画的な貯蓄を行うことが、安定した老後生活を送るための一助となります。ただし、老後は病気などのリスクが高まるため、自分自身の生活スタイルや将来の収支を見据えて、早めに資金計画を立てることが大切です。
出典
金融広報中央委員会 知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](平成19年以降) 各種分類別データ(令和5年) 統計表の番号4 金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4> 65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 図2 65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支 -2023年-(18ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー