65歳で定年退職し、80歳までパートとして月に5万円の収入がある場合、90歳まで1人で生活するために必要な金額を計算してみましょう。
 
前提条件は次の通りです。なお、月々の実収入および消費支出は総務省統計局「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」における65歳以上の単身無職世帯の収支を参照しています。

(1)65歳から90歳までの25年間1人で生活
(2)月々の消費支出:14万5430円
(3)月々の実収入(年金など):12万6905円
(4)65歳から80歳までパートで月5万円の追加収入がある
(5)80歳から90歳までパート収入はなくなる

 

65歳から80歳まで

この15年間に関しては、パートでの収入が月5万円加わるため、実収入は以下のように計算されます。
 
月々の収入(年金など+パート収入):12万6905円+5万円=17万6905円
 
月々の収支:実収入(17万6905円)-消費支出(14万5430円)=3万1475円

 
この15年間は、収入が支出を上回るため、余剰分として貯蓄に回せるでしょう。
 
月々の余剰額:3万1475円
 
15年間で貯蓄に回せる金額:3万1475円×12ヶ月×15年=566万5500円

 
つまり、65歳から80歳の15年間で566万5500円の貯蓄ができる計算です。
 

80歳から90歳まで

80歳以降はパートの収入がなくなるため、月々の収支は下記の通り赤字になるでしょう。
 
月々の実収入(年金など):12万6905円
 
月々の収支:実収入(12万6905円)-消費支出(14万5430円)=-1万8525円

 
この不足額は、10年間で次のように積み上がります。
 
年間の不足額:1万8525円×12ヶ月=22万2300円
 
10年間の不足額:22万2300円×10年=222万3000円

 
80歳から90歳までの10年間に不足する金額は、222万3000円となる計算です。
 

65歳から90歳までの収支の総計