大平:料理の仕事したいって考えてたんですか?
原田:したいと思ってたんですね。だけど……でも先生の近くにいて本を見て、同じように作ることはできるけど、まったく新しい料理を考えることはできないというか。
先生は本当にちょっとした残り物から新しい料理を作る……あと一つひとつの料理を作るのもお上手で、その時に料理の仕事するっていうのは全然違うんだなって学びました。
◆以前は別の仕事についていた二人
大平:その時は文章の仕事は考えてなかったんですか?
原田:そういうのもできたらいいなって思ったら、20代の後半、私、秘書の仕事してたんですけど、秘書は当時、年とってから長くできるような仕事じゃなかったし、何か別のことできないかなって探している時期だったんですね。
大平:人生で探した時期って何年くらいあったんですか?
原田:26歳から28歳くらいからずっと。29歳か30歳くらいで結婚して北海道に転勤したんで。それくらいですね。大平さんはそういうのありますか? 迷い時期というか。
大平:あります。私は愛知の短大で社会福祉を学んだ後、児童養護施設に勤めたんです。文章書きたかったけど文学部は行けなかったので、次に面白いものと考えた時に社会福祉だなって思って。
面白かったけど、やっぱり書く仕事もしたいって思って20歳から26歳までは迷いました。それで26歳で上京して、編集プロダクションに入って。
原田:そこから書く方に?
大平:はい。
◆フリーになって見つけた創作の「裏テーマ」
原田:そうなんですね。やっぱり台所の話とか食の話が多いんですか?
大平:いや、全然なんです。私、料理をテーマにした書籍はこれが初めてで。26歳から30歳くらいまで編集プロダクションにいて、出産と同時に退職したんですよね。子供を育てながら無理だなと思って。
で、フリーになったんですけれども、その時はがむしゃらに7~8年やって、やっぱりちょっと違うなという……。これは誰でもできるし、歳を取ったら若いライターさんに変わっていく。