▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
老後の住まいを賃貸にするメリット・デメリットは
賃貸に住む大きなメリットは、比較的自由に住み替えや引っ越しができることです。この点は老後を考えても大きな利点になります。
例えば、老後は身体の状態も変化し、車の運転ができなくなったり、遠出がつらくなったりすることがあるかもしれません。その際、賃貸であれば、利便性の高い場所に住み替えることは比較的簡単です。仮にパートナーに先立たれるなど家族構成に変化があった場合も、小さめの賃貸に住み替えるなどの対応もできるでしょう。
ただ、最大のデメリットは、毎月家賃を払い続ける必要があることです。とくに収入源が限られがちな老後は、高い家賃を払うのを避ける人も多いでしょう。
さらに、老後の住まいとして気になるのは、高齢者は入居に制約が生じやすい点です。実は高齢になればなるほど、賃貸住宅は借りにくくなると言われています。
そのため、入居できる物件が限られ、連帯保証人や身元引受人も欠かせないでしょう。また、高齢者に限った話ではありませんが、入居後もオーナー側のやむを得ない事情で、退去を迫られる可能性は否定できません。
老後の住まいを持ち家にするメリット・デメリットは
老後の住まいが持ち家であれば、住まいがある安心感を得られるのは大きなメリットです。また、住宅ローンの支払いが終われば、日々の住居費は少なくて済みます。建物の維持管理やリフォーム費用、固定資産税などの負担はありますが、毎月支払う家賃に比べて高くはならないでしょう。
一方で、持ち家のデメリットは、簡単に引っ越せないことが挙げられます。売却すれば住み替えは可能ですが、賃貸に比べると時間も労力も必要です。
また、持ち家は売却で現金化できる反面、最終的な処分や相続の手続きなど、ゆくゆくは持ち家をどうするのか考えておくことも大切です。いずれにしても持ち家は自分の資産であり、経済的な側面や安心感を優先する人のニーズは高いでしょう。