自炊は節約というイメージが強いですが、実は必ずしもそうとは限りません。自炊には食材の購入や調理時間といった見えないコストがかかるからです。
 
仮に時給1100円で働く人が自炊する場合、実際の食材費に加えてどれくらいの見えないコストがかかるのでしょうか。
 
ニチレイフーズが実施した「全国お弁当事情に関する調査 2024」によると、お弁当の作成時間の平均は、17分57秒という結果でした。
 
18分として計算すると、時給1100円は1分あたり約18円のため、18円×18分=324円です。食材の費用306円に324円の調理コストを加えると630円となり、お弁当などを買う場合とほぼ同じコストとなります。
 
自炊には、食材の買い出しや食器の片付けなどの時間がかかるほか、光熱費もかかるため、さらにコストが加算される可能性があります。
 

タイパ重視なら自炊なしが効率的?

手作り弁当は、栄養バランスを考慮でき経済的ですが、時間がない人には負担になるかもしれません。弁当づくりの時間を、自分のスキルアップ等の勉強や読書の時間に使えば、自己成長や将来的な収入アップにつながる可能性もあるでしょう。
 
一方、手作り弁当には、栄養面バランスを整えたり、料理の腕を上げたりできるほか、自分の好きな物を入れられるというメリットもあります。
 
自炊のための調理や買い出し等の時間をコストと考えるタイパ重視の人は、自炊にこだわらないほうが効率的かもしれません。
自分の価値観やライフスタイルに合った選択をすることが大切です。
 

出典

株式会社SBI新生銀行 「2023年会社員のお小遣い調査」結果について
総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)単身世帯 2023年
株式会社ニチレイフーズ 全国お弁当事情に関する調査 2024
 
執筆者:渡邉志帆
FP2級