監察医が主人公の物語なので事件は起きますが、それ以上に朝顔の家族とともに過ごす日常にもフォーカスされているのです。仕事と家族を完全に切り離せる人はどれだけいるでしょうか。どちらも影響しあっている。そんなリアルな人間描写に、丁寧な親子関係や夫婦関係の心理描写が重なり、サスペンスとホームドラマを融合したような描き方が、人気の理由かもしれません。
今回のスペシャルドラマでは、父・平が認知症で老人ホームに移り家族4人での暮らしに。自死と思われていた溺死とみられる遺体と、感電死とみられる遺体が続けて見つかり、解剖の結果から2つの事件のつながりが判明。同じ頃つぐみが「じいじ(平)を見た気がする」と不思議なことを話し始め―――という展開。これまでのシリーズを観ていなくても、初見から充分に楽しめる作品です。ぜひこの機会に朝顔ワールドを堪能してみてください。
◆1位『スロウトレイン』1月2日よる9時~
そして筆者が最も楽しみな作品は、1月2日よる9時~放送の新春スペシャルドラマ『スロウトレイン』(TBS系)。
秋クールで話題を呼んだドラマ『海に眠るダイヤモンド』(TBS系)や、今年の大ヒット映画『ラストマイル』を手掛けた脚本家・野木亜紀子氏によるオリジナル作品です。そして演出を、ドラマ『カルテット』、『逃げるは恥だが役に立つ』、映画『罪の声』などを手掛けた土井裕泰氏が担います。
◆実力派の俳優×脚本×演出が描く新時代のホームドラマ
本作は、鎌倉に暮らす3人の姉弟の物語。長女でフリーの編集者・葉子を松たか子が、次女で職も居場所もふらふら変える都子を多部未華子が、何やら姉たちに明かせないことがある末っ子・潮を松坂桃李が演じます。