銀行などに現金を積み立てるだけでは、現金の価値が目減りしていってしまうため、物価上昇に対応可能な資産形成を検討すべきと言えます。具体的には日本銀行が目標としている物価上昇「2%」に耐えられるよう、「毎年2%」以上の利回りを目指すことのできる資産運用を選択肢に入れるべきです。
現在はNISAやiDeCoといった税制優遇を受けながら資産を運用できる手段があります。もちろん100%元本が増えるという保証はないため、各自のリスク許容度の範囲内で行う必要はありますが、現金のまま積み立てるよりも効果的な資産運用となり得ます。
まとめ
「貯蓄◯◯万円」という目標設定は、明確で分かりやすいですが、老後に向けてより安心できる資産形成を行いたい人は、物価上昇を念頭に置くとより良いでしょう。
また、老後の年金についても、継続している少子化の影響を鑑みると、満足な受給ができない可能性が高いです。一昔前には「老後は年金で安泰」という時代があったかもしれませんが、これから老後を迎える世代にはきっと当てはまりません。「自分の老後には自分で備える」時代です。NISAやiDeCoをはじめとした資産形成などをぜひ検討してみてください。
執筆者:小林裕
FP1級技能士、宅地建物取引士、プライマリー・プライベートバンカー、事業承継・M&Aエキスパート
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