福岡県筑後市・熊野神社にて、2025年1月4日(土)に県無形文化財「鬼の修正会(しゅじょうえ)」が開催される。

地元小学生などによる「小松明」は17:00、男衆たちによる「大松明」は21:00からとなっている。

県無形文化財の鬼追い儀式

毎年1月に「鬼の修正会」が行われる熊野神社は、明治時代以前には神仏混淆(しんぶつこんこう)で、隣にある坂東寺と一体化して坂東寺と呼ばれていた。この坂東寺は、約1250年前の延暦年中に第五十代桓武天皇の勅願で紀州熊野三大権現として勧請されたことに始まり、明治初期の神仏分離策によって、現在の坂東寺と熊野神社に分かれた寺院だ。

「鬼の修正会」は、分離前に坂東寺創建と無病息災を同時に祈願する火祭りとして始められた鬼追いの儀式で、その別名を「追難祭(ついなさい)」ともいう。1969年に福岡県の無形文化財に指定された同祭りは、五穀豊穣・無病息災・厄病退散を祈願するために、「小松明」「鬼追い」「大松明」の3つの神事で構成される。なお、「鬼追い」は一般非公開の神事となる。


2025年1月4日(土)に開催する「鬼の修正会」では、17:00から小学生などを対象に「小松明」を行う。この神事では、神主から「御神火」を頂戴し火のついた松明を持って境内を3周。約300本の小松明を奉納する。小学生以下の幼児も保護者と一緒に参加できるので、新年の健康祈願のために参加してみて。


21:00からは「大松明」がとり行われる。直径1.5m・長さ13mの大松明3本に火がつけられた後、一般公募により集まった男衆が刈又(かりまた)と呼ばれる棒で大松明を支えながら境内を3周するという神事だ。


パチパチと音を立てて燃え上がる炎により照らし出される境内。祭りのクライマックスともなるこの神事では、太鼓や鐘の音とともに男衆が「わっしょい」の掛け声にあわせて大松明を引き回す姿も圧巻。こちらの参加は事前申し込み制で、今回応募は締め切りとなっているが、一般観覧は可能とのこと。