運転中のスマホ操作で「1万8000円」の反則金を取られた! 赤信号で止まっていたのに、なぜ「違反」になるんですか? 反則金を取られるケースを解説
道路交通法では、運転中の通話や画面注視を禁止しています。一方で、「停車中は除く」と規定されており、信号待ち中であればスマホ操作は違反の対象にはならないことをご存じでしょうか。   しかし、今回の相談者は切符を切られてしまったようです。どういうことなのでしょうか。本記事では、赤信号で停車中に反則金を取られるケースや違反した場合の罰則など、停車中のスマホ操作について解説します。

▼ハンズフリー通話での運転は「違反」になる? ペナルティが発生する場合についても解説

止まっていれば違反にならない

道路交通法(第71条5の5)では、運転中の通話や画面の注視を禁止しています。しかし、「当該自動車等が停止しているときを除き」とされていることから、停車中のスマホ操作は違反にならないと考えるのが一般的です。
 
また、運転中の通話禁止に関して「傷病者の救護又は公共の安全の維持のため当該自動車等の走行中に緊急やむを得ずに行うものを除く」とあるため、緊急性がありやむを得ない状況での通話も道路交通法違反には当たらないと考えられます。
 
しかし、減速しているときからスマホを触っていたり、スマホの操作中に青信号になって発進したりするような場合は別です。停車中のつもりが完全に停止できていないときにスマホを操作してしまうと、交通違反になってしまうのです。
 
赤信号や渋滞などで停車している際でも、スマホを操作することで周囲の状況を把握しきれず注意が散漫になる可能性が高くなります。完全に停車していて違反ではないという状況であっても、やむを得ない事情がない限り、スマホ操作は避けるべきでしょう。
 

運転中のスマホ操作による罰則

運転中のスマホ操作などで道路交通法に違反した場合、免許停止や交通反則通告制度による反則金の支払いなどの行政処分と、行政処分や刑事処分が科されます。
 
交通反則通告制度とは、運転者が比較的軽微な道路交通法違反行為をした場合に、反則金を支払うことで刑事処分を回避できる制度です。運転中のスマホ操作による道路交通法違反だけであれば、交通反則通告制度により反則金の支払いと違反点数を科されることがほとんどでしょう。
 
ただし、運転中のスマホ操作が原因で事故を起こした場合など交通上の危険を生じさせてしまうと、違反点数と免許停止に加えて懲役刑や罰金刑による刑事処分も科されるため注意してください。運転中のスマホ操作による罰則の内容は図表1の通りです。
 
図表1

運転中にスマホを操作していた場合 罰則 6月以下の懲役、または10万円以下の罰金
反則金 1万8000円(普通車の場合)
違反点数 3点
スマホ操作により
交通上の危険が生じた場合
罰則 1年以下の懲役、または30万円以下の罰金
反則金 非反則行為となり、罰則が適用
違反点数 6点(免許停止処分の対象)