12月31日にNHKで放送される『紅白歌合戦』で「地獄でなぜ悪い」をギター弾き語りで歌うことになった星野源。
選曲についてはNHK側から「熱い想いと共にオファーをいただいた」と自身の公式インスタグラムで明かし、「血が湧き上がるような感覚」とテンションが上がっているようですが、波紋を呼んでいます。
◆性加害疑惑の園子温監督の同名映画主題歌に疑問の声
理由は、2022年に性加害疑惑が報じられた園子温監督の同名映画の主題歌であること。映画の公開と曲のリリースは報道以前の2013年でしたが、騒動の大きさから選曲に疑問を呈する声が少なくないのです。
音楽プロデューサーで作詞家の松尾潔氏は自身のXで「源さんもNHKもどうか考え直してください」と訴えていました。
また、旧ジャニーズ事務所の性加害問題に切り込んできたNHKなのに、どうしていわくつきになってしまった「地獄でなぜ悪い」をわざわざ選曲したのか、と理解に苦しむといった声もありました。
一方で、曲そのものに罪はないという意見も多く見られます。これで曲を披露する機会が失われることあれば、行き過ぎたキャンセルカルチャーになってしまうのではないかとの懸念です。
◆不足しているのは、NHKと星野源による言葉
筆者は、心情的にはやめたほうがいいと思うし、松尾潔氏の意見に共感します。
これが星野源のライブであれば、事情を知ったファンとの関係性において納得できるでしょう。けれども、紅白はより社会のレンジが広いイベントです。そこで性加害疑惑の当事者に関係する楽曲を披露することは、どうしても音楽やエンタメ以外の意味を帯びてきてしまいます。「血が湧き上がるような」熱い思いがあるからといって、単純に正当化されるものではないのです。