88歳の父が他界。母も高齢なので私が相続手続きをするのですが、父親から預貯金・土地などの詳しい情報を聞いていません。どのように進めたらいいですか?
どなたかが亡くなると、必ず相続の問題が発生します。亡くなった方をしのんでいる間にも、相続手続きをどうするのか、という問題は起こります。戸籍集めや相続財産の把握、相続の方法など、決められた期間に行う必要があります。最近では以前と比較して、負担が軽減されています。

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以前より戸籍集めは楽に

以前は亡くなった方の戸籍集めに、大変な手間がかかりました。とくに本籍地が遠い場合などは苦労しました。最初の出生地や親の出生地が本籍になっていることが多く、その役所に照会をして戸籍を取り寄せる必要があります。亡くなった方の本籍が、ずっと同じ場合は一度の手間で何とか手に入るのですが、結婚、転居などの理由で、本籍を移動させている場合は、追いかけて戸籍をすべて集める必要があります。
 
昭和の時代までは、親戚間で養子縁組をしたケースも多く、相続人の知らない人が養子に入っているケースもありました。戸籍謄本を取り寄せ、初めてこうした事実がわかれば、その人も相続人となります。戸籍謄本は、相続人の確定や相続財産の配分のためには、必ず必要です。相続税の納付は、故人が死亡してから10ヶ月以内と定められています。死後の手続きに追われていると、あっという間にきてしまいます。
 
こうした手間のかかる作業を少しでも軽減できるように、国が2024年から運用を始めた制度が「戸籍証明書等の広域交付制度」です。このシステムは、全国の市区町村と法務省がネット回線でつながり、戸籍の入手が楽になりました。相続人が居住地近くの市区町村の役場で戸籍謄本の交付を申請すれば、このシステムを利用することで、すべての戸籍をまとめて入手できるようになりました。これまでのように、戸籍のあるすべての市区町村と、手紙などのやり取りなどで数ヶ月かかっていた手続きが簡単になりました。
 

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