いよいよ11時から潜りの実演だ。もう、ぼくからすれば、「ああ、海女さんがいる…海に入っていく…本物の海女さんだ…すごい…」と、海女さんが目の前にいるだけで、心から嬉しい気持ちだったけれど、海に入って潜る姿が、またかっこいいのだ。

白足袋を履いているので、潜るときにその足袋が最後まで海面にギリギリ見える。それが、すごく美しく見えた。

と、十分感動している中、二人の海女さんが、ウニを次々とハイペースで獲っていく。一度の素潜りで、両手にウニを抱えて。腰につけていた網が、あっという間にウニで満杯になっていった。あまりにお見事すぎて、わたしたちは毎回「おおぉー!」と言って拍手するしかできない。水中は深いとおっしゃっていたので、体力も技術も、優れているに決まっている。ぼくは潜ったとてウニのひとつも、獲ってこれやしないだろう。

久慈駅へ。琥珀王国の言葉も

駅前のいい雰囲気

そして、小袖海岸へ

昆布が浮かんでいる

海女センターの中へ

海女さんの実演を見た

ウニもその場で食べて、美味しかったあ

最後に、海女さんが獲ってきてくれたばかりのウニを、その場で食べるという幸せに恵まれた。みなさんあっという間に並んでしまって、最後尾から二番目に並んでぼくもウニを買って食べた。海女さんやお母さんが、見事な手捌きでウニを割り、身を取り出していく。そして、無事にいただくことができた。心の中で唱える渾身の「じぇじぇじぇ!!」…最高に美味い。採れたてほやほやという嬉しさ付きだ。小袖海岸の海女さんは、「北限の海女」と呼ばれているわけだが、あまちゃんのドラマも、今も小袖で活躍する海女さんたちも、かっこいいなあ。つくづく海女さん推しになった。

(仁科勝介)

写真家プロフィール

仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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