◆まっすぐで、涙が美しい“男前”

『君が心をくれたから』で山田は、主人公・雨(あめ/永野芽郁)と恋に落ちる青年・朝野太陽を演じています。太陽が事故に遭ったことで、雨が自分の“心=五感”を差し出すことになる物語。ヒロインが過酷な宿命を背負ってしまい、視聴していて苦しくなることもある本作ですが、山田がまさに太陽のような温かさで物語を包み込んでいます。

しかも、ただ燦燦と降り注ぐ熱い太陽として表現しないのが、実に山田らしい。太陽は自身も花火師を目指していながら色覚障害で“赤”が見えないハンデを背負っています。さらに、自分が原因の火災で母親も喪っている。それでも、彼はまっすぐに人を想う気持ちをもっています。苦しみながら、泣きながら、雨を、そして周囲の人に寄り添おうと心を尽くすのです。太陽が葛藤するたびに、涙を流すたびに、そこには彼のまっすぐさが光っていて、美しくて、眩しかった。

彼の言葉に、嘘のない純粋な眼差しに救われたのは、ヒロインの雨だけではないはずです。太陽を「ただの明るい良いやつ」にしなかった、山田の表現力は圧倒的。愛する人が、自分のせいで五感を奪われるという、ツラすぎる運命を山田演じる太陽がどう乗り越えるのか最後まで目が離せません。