・ただ1つ、「お客様」だけを見て判断する
馴れ合いや親しい間での妥協を嫌うアマゾンの考え方は、日本でサービスを開始した当初はなかなか受け入れられませんでした。”黒船”といった表現で半ば揶揄された背景には、「妥協しない=冷徹、非情」といったイメージがあったのでしょう。
2000年、アマゾンジャパンの設立メンバーとして入社した私は、入社当初は書籍の仕入れ担当でした。取次さん、出版社さんとの交渉窓口でしたが、不信感を抱かれたり、警戒されたり、交渉を拒絶されたり......といったことが正直ありました。
アマゾンが見ているのは、ただ1つ、「お客様」なのです。それは、例えるなら北極星のようなものです。
価格で言えば「お客様にいかに安く商品を提供するか?」、それだけをひたすら考えます。
書籍は、日本では再販制度により、価格を下げることができません。それならば、配送料無料などのサービスを導入してお客様に還元するのです。
品揃えが良く、しかも安ければ、商品は売れます。
すると口コミが起き、人がさらにやってきます。その結果、アマゾンでものを売る人たちの利益につながる──Virtuous Cycleを回すことが私たち全体の利益になるということを、情熱を込めてお伝えしたつもりです。うまく説明できていたかどうかは、自信がありませんが。
当時、警戒や拒絶の反応を示した取次さんや出版社さんも、現在アマゾンとお付き合いをしています。そこに至るプロセスではさまざまな思いがあるのかもしれませんが、「アマゾンのサイトがたくさん本を売っていること」「”死に筋”と呼ばれるような過去の出版物も売れること」が何よりも大きいのです。
ジェフ・ベゾスがよく話していたとおり、「世間から誤解されるようなイノベーティブなこと」が、今、花となって咲いているのだと私は思うようにしています。
(画像=Webサイトより ※クリックするとAmazonに飛びます)
佐藤将之(さとうまさゆき)
企業成長支援アドバイザー。セガ・エンタープライゼスを経て、アマゾンジャパンの立ち上げメンバーとして2000年7月に入社。サプライチェーン、書籍仕入れ部門を経て、2005年よりオペレーション部門にてディレクターとして国内最大級の物流ネットワークの発展に寄与。2016年、同社退社。現在は鮨職人として日本の食文化に携わるとともに、15年超の成長企業での経験を生かし、経営コンサルタントとして企業の成長支援を中心に活動中。
提供・ZUU online
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