ぐっち夫婦は「今日なに食べる?」をテーマにしたレシピ開発やコラムの執筆、イベントの登壇やソーシャルメディアでの情報発信などを数多く手がける夫婦料理家ユニットです。夫のTatsuyaさん、妻のSHINOさんともに平日は会社員として働くかたわら料理家としての顔を持ち、さらに自分たちの会社を経営するというパラレルキャリアを歩んでいます。

多忙な日々を送るお二人に料理家としての活動のきっかけや、パートナーと一緒に仕事すること、共働きを無理なく続けていく秘訣などお話をうかがいました。

「作ってみました」の声がエネルギー源。好きなことを続けていたら今の形に落ち着いた

――夫婦で料理家という非常にユニークな活動を始めたきっかけを教えていただけますか?

Tatsuya :もともと僕たちは食に携わる会社で働く同僚でしたね。僕はその企業の商品を販売する営業として、彼女は会社の扱うレシピの管理や調理者のサポートなどを手がけていました。昔から僕は、大学時代にバイトしていたイタリアンレストランでメニューを考えさせてもらったりするくらい、料理するのも人にふるまうのも好きで。

その後も社会人の同期とシェアハウスをしていたときがあり、そのときにも多くの友人が遊びに来てくれて料理をよくふるまっていました。その当時はそれを写真に撮ってアップするようなことはしていなかったですね。

SHINO :私の家は祖母が八百屋をやっていて、幼少期から食が常に身近にあったので大学も栄養系の学部に進み、栄養士の資格を取得しました。仕事もずっと食関連の会社に勤めていて、現在は個人でフードコーディネーターの仕事もしています。大学生のころから料理の写真はよくアップしていて、結婚してからはずっと夫婦の食卓写真をアップしているんです。

でも二人で活動するようになったきっかけは「何か楽しいことやりたいね」っていう気持ちからですね。一緒に料理をして、情報発信して、でも一方ではそれぞれ自分の好きなことややりたいことを続けていたら今の感じになっていました。

――すごく自然な成り行きですね。「夫婦で活動していくぞ!」みたいな意気込みがあったのかと思っていました。

Tatsuya :僕自身、両親にずっと好きなことをさせてもらって来たので……(笑)。だからSHINOさんから「料理家になりたい」という夢を聞いたときは、「自分の好きなことを思いっきりやりなよ」って思ったんです。

また、それまでは僕も情報発信はしていなかったのですが、発信すること自体に抵抗はありませんでした。作った料理のレシピを公開していったら反響が結構あって、「作ってみました」って声がもらえるようになって。それが発信を続けるエネルギーにもなっていきました。

SHINO :「いいね!」をいただくのはもちろんうれしいのですが、それだけがうれしいんじゃなくて作ってくれた人の先にある「家族が喜んでくれました」とか「彼氏との初デートにこれを作りました」っていう声を聞けるほうがもっとうれしいですよね。私たちも家族や仲間とのごはんを大事にしているから。アップしているのはキラキラした感じじゃありませんが……。

ごく普通の家庭料理にちょっとした食材・組み合わせや作り方ワンアレンジを加えたものが多いので、みなさんは身近に感じてくれ、多く作ってくれるのかなって最近わかってきました。