とはいえ、家計に直結する食費をむやみに増やすわけにはいきません。5人家族となると、家計の中で食費が占める割合は重要なポイントになります。
そこで、食費の目安として活用されるのがエンゲル係数です。エンゲル係数は消費支出に占める食料費の割合で、以下のように求めることができます。
エンゲル係数=食料費÷消費支出×100
2024年10月の調査では、2人以上の世帯のエンゲル係数は29.3%でした。2024年1月~8月は28%で、年平均と比較すると1982年以来の高い水準となっています。
例えば、月の消費支出が35万円の場合、エンゲル係数が2024年10月の平均である27.9%であれば食費の目安は約9万8000円です。このことから分かるように、この世帯ならば月10万円の支出は、ごく平均的といえます。
家計にエンゲル係数を当てはめて計算し、平均よりも多いのであれば家族の健康を優先しつつ、外食を控える、食品ロスを減らす、といった工夫をしてみてはいかがでしょうか。
一方で、エンゲル係数が高く出る理由には、収入に対する食費の割合が大きいことが挙げられます。収入が増えない中で物価が上昇していたり、収入が減少していても食費を減らせていない、などの場合に高く出る傾向があります。
特に5人家族では、前述の通り子どもの成長に伴い、食べる量が増えることも要因の1つになります。そのため、エンゲル係数を参考にしながらも、無理のない範囲で食費を設定することが重要です。
まとめ
月10万円の食費に対して、「高すぎるのでは」と感じることもあるかもしれませんが、決してそうではないということが分かっていただけたでしょうか。物価の上昇や家族構成の変化を考えれば、数年前と比較して増加していくことは当然ともいえるのです。
雑誌の記事と比較して落ち込んでしまうよりも、家族一人ひとりの健康と成長を支えていることを意識し、自信をもって家計管理に取り組んでいくことが大切です。