自転車の飲酒運転に対する罰則も大きく変わりました。自転車の飲酒運転は自動車に比べて軽視されがちでしたが、今回の道路交通法改正では、酩酊状態で運転する「酒酔い運転」とは別に「酒気帯び運転」が新設され、厳しい基準が設けられています。
 

酒気帯び運転

酒気帯び運転は、血液1ミリリットル中に0.3ミリグラム以上、または呼気1リットル中に0.15ミリグラム以上のアルコールを体内に保有した状態で運転する行為が対象です。発覚すると、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されることとなりました。
 

ほう助した者も罰則

飲酒した人に対して自転車を提供した場合や、飲酒運転をするおそれがある人にアルコールを提供した人も罰則の対象です。


自転車を提供した場合:3年以下の懲役または50万円以下の罰金
同乗者や飲酒を提供した者:2年以下の懲役または30万円以下の罰金

関係者の責任を問うことには、自転車でも命に関わる危険行為である、飲酒運転を防止するための社会的な意識を高める狙いがあります。
 

やった・やらないで取り締まりが難しい

取り締まりが強化された一方で、自転車の違反行為を現場で取り締まるには多くの課題が残っています。ながらスマホや酒気帯び運転においては、「やった」「やらない」の証明が難しい場合があります。
 
自動車であれば、ドライブレコーダーの映像が証拠として活用されることがありますが、自転車にそのような記録装置を設置している人は少なく、現場の証拠確保が課題です。
 
また、違反者が身分証明書を携帯していない場合は、身元の確認に時間がかかります。今後は、取り締まりを効率化するための仕組みづくりも求められるでしょう。
 

自転車の運転に関する罰則強化される一方で、取り締まることが難しいという現実がある

罰則が強化されても、現場での取り締まりが難しいという現実は残ります。しかし、法律の改正により、違反行為を行った場合に現行犯逮捕のリスクが高まったことは確かです。罰則強化は、自転車利用者の安全意識を高め、事故を未然に防ぐためのステップとなるでしょう。
 
私たち一人ひとりが、自転車に乗る際には交通ルールを守り、安全な利用を心がけることで、自分だけでなく周囲の人々の安全も守れるという意識を持ち、自転車利用を見直す良い機会としたいものです。
 

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