一般的には「源泉徴収ありの特定口座」で取引をしていますので、1つの証券会社のみと取引している場合は、Aさんのように“お任せ”で損益通算の手続きは完結します。
 
ですが複数の会社と取引している場合は、自分で確定申告をする必要があります。「申告分離課税」を選び、損失と利益を通算します。再計算された税額に基づき、納付済みの税金が還付される手順は“お任せ”と同じです。
 
もともとは対面式の証券会社と取引していたが、手数料の安さなどから最近はネット証券と頻繁に取引している……そんな話は多いです。今年は株式相場の値動きが激しい1年でした。配当金や分配金を得た方、利益を確定した方の中で、塩漬け株(投信)を持っている場合は、損益通算をして塩漬けの整理を考えてはいかがでしょうか。
 
実体験からの個人的感想ですが、こうして整理すると“塩漬け”も少し救われる気がします。「新しい投資先で大いに働いてもらう」と前向きになれるかもしれません。
 
この損益通算、マイナスが多い場合は翌年から3年間繰り越すこともできます。損失を意識して無理に利益確定を急ぐことはありません。ただし、毎年の確定申告は必要です。
 
最後に、以上のように損益通算することで節税することは、課税口座でできることです。NISA口座では損益通算はできません。そもそもNISAは非課税制度です。もうけに対しては非課税なのはありがたいことですが、損した場合にも他のもうけと通算できません。これはNISA口座で取引する上での注意点です。
 
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

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