非課税限度額を考慮したうえで、通勤手当の支給額を決定しているケースが多くあります。自家用車で通勤する場合、税法上は非課税限度額が設定されており(図表1)、限度額を超える部分については課税の対象です。
図表1
通勤距離(片道) | 1ヶ月あたりの非課税限度額 |
---|---|
2km未満 | 全額課税対象 |
2km以上10km未満 | 4200円 |
10km以上15km未満 | 7100円 |
15km以上25km未満 | 1万2900円 |
25km以上35km未満 | 1万8700円 |
35km以上45km未満 | 2万4400円 |
45km以上55km未満 | 2万8000円 |
55km以上 | 3万1600円 |
出典:国税庁「No.2585 マイカー・自転車通勤者の通勤手当」より筆者作成
非課税限度額を超過する分に対して所得税や住民税が課税されるため、企業は適切な金額で支給を行い、従業員が不必要に税金を負担しないように配慮することが求められます。
車通勤のメリット
車通勤は、出勤時間や帰宅時間を気にする必要がない点がメリットです。朝早く出発したい日や仕事で遅くなった日でも、公共交通機関の運行時間を気にする必要がありません。最終のバスや電車を逃しても帰宅できるため、ストレスを減らせるでしょう。
また、車通勤であれば、カバンや書類、パソコンなどの重い荷物を車内に積んで移動できるため、持ち歩く必要がなく、身体的な負担が軽減されます。
車通勤のデメリット
車で通勤する場合には、悪天候や事故によって渋滞が発生することがあり、早めに出発しなければならない日が出てくるでしょう。また、渋滞に巻き込まれれば遅刻するリスクもあります。
車を使用するためには、維持費がかかる点も無視できません。ガソリン代や駐車場代、車検代、保険料、税金など、車を維持するためのコストは継続的に発生します。また、ガソリン代以外の費用は、企業から支給される通勤手当ではカバーしきれないことも多く、自己負担となる場合があります。