金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」によると、年間の手取り収入から貯蓄に回す割合は、20代だと「貯蓄しなかった」が30.8%と最も多い結果でした。つまり、69.2%の方は収入から貯蓄をしていることになります。なお、20代で手取り収入から貯蓄している方の貯蓄割合は平均18%です。
 
また、厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」では都道府県、年齢階級別の平均収入が記載されています。東京都の25~29歳の場合、企業規模が10人以上の平均月収は31万5300円、年間賞与やその他特別給与は67万2000円でした。つまり、20代後半の年収目安は「31万5300円×12ヶ月+67万2000円」で445万5600円です。
 
手取りは全体の80%程度といわれるため、年収目安の80%である356万4480円が手取りの目安になります。もし「家計の金融行動に関する世論調査」の結果のように、356万4480円から18%を貯蓄に回したとすると、年間の貯蓄額は約64万1606円になります。
 
5万円を12ヶ月貯蓄すると60万円なので、1年では目安よりは少ない結果です。しかし、NISAの積み立てではうまくいけば徐々に資産が増えていくので、同年代より多く貯蓄ができる可能性もあるでしょう。
 
ただし、東京都以外の地域によっては平均月収などが変わるため、平均貯蓄額も異なります。
 

効率よく貯蓄する方法

NISAを活用する以外にも、貯蓄をするコツはあります。まずは、無駄遣いを減らしましょう。家計簿をつけて、毎月の収支を把握することが大切です。収支を比較して、食費や水道光熱費などが多い場合は、節約できる可能性があります。ただし、生活に影響が出るような無理な節約はやめましょう。
 
また、クレジットカードを始めとするキャッシュレス決済は、独自のポイントが貯められるものもあります。ポイントや特典を活用すると、支出が減らせるかもしれません。
 
貯蓄したい金額を全額NISAに回すと、大きな出費が発生した際にNISA口座から取り崩さなければならないケースも考えられます。NISA用として基本的に手を付けない貯蓄と、何かあったとき用に取り出せる通常の貯蓄とで分けたほうがよいでしょう。
 

利回り3%だと60歳で4630万円の資産形成ができる可能性がある