遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)の人は、BRCA遺伝子に病的な変異があることで働きが失われており、そのため、DNAの正常な修復が妨げられ、乳がんや卵巣がんになりやすくなると考えられているそう。

 この遺伝子を持つ人の割合は欧米では400~500人に1人と言われています。アンジェリーナ・ジョリーは、お母さんを乳がんと卵巣がんで亡くしていることから検査を行ったそう。美しい彼女が両胸を予防的に切除するというのは、よほどの想いがあったからだと想像します。

 ですが当時、ニュースを見た私は「セレブが先進的医療に手を出した」ような感覚で受け止めていました。

 日本国内でその遺伝子検査が保険適用になったということは、やはりその遺伝子が乳がんや子宮がんのリスク要因として認められているということかなと考え、病院での定期検査の際に、担当医師に聞いてみることにしました。

◆保険適用になる条件とは?

 乳腺外科の先生に尋ねると、「保険適用には条件がある」とのこと。適用の条件はいくつかあるのですが、そして私は「45歳以下で乳がんに罹患」「60歳以下で、トリプルネガティブ乳がん」に当てはまるため、「保険適用に該当する」とのことでした。

 2024年9月現在、検査が保険適用となるのは以下の条件に当てはまる人です。(国立がん研究センターHPより)

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遺伝性乳がん卵巣がんの血液検査の対象となる方は、以下のいずれかの条件を満たす方となります。

・45歳以下で診断された乳がんの方

・60歳以下でサブタイプがトリプルネガティブと診断された乳がんの方

・両側または片側に2個以上の原発性乳がんを診断された方

・男性で乳がんと診断された方

・血縁者(第三度近親者以内*)に乳がんまたは卵巣がん、膵がん患者がいる乳がんの方

・HER2陰性の手術不能または転移再発乳がんでオラパリブの投与が検討されている方