◆お互いにちょうどいい距離感で過ごせるように

それから時を経て60代の良子さん。

現在も、夫との会話は必要最低限。「ご飯できたわよ」、「お風呂湧いたから、入って」くらいとのこと。それでも、夫婦生活を割り切っていれば、それが「普通」と感じるようになり、苦にならなくなったと言います。

良子さんは今、すでに家を出た長女・長男の孫の顔を見るのが楽しみで仕方ないのだとか。

「長女、長男もすでに結婚して家を出ていますが、近くに住んでくれていて。私たち夫婦のことが心配みたいで、時折顔を出してくれるんです。

今は、孫をつれて時々顔を出してくれます。もうそれだけで、生きている意味があると感じるようになりました。」

元気だった頃、良子さんは夫に「もしかしたら、訴え続けていれば家事育児を手伝ってくれるのでは」と、どこか期待していた一面もあったそう。

でも、体調不良になったころに期待する意欲をなくしたことで、かえって関係を「割り切る」ことができたそうです。

今では「夫と喧嘩をすると疲れるから、必要最低限しか話さない」とルールを決めて、心穏やかに過ごしているのだとか。

「夫婦関係を長く継続していくには、時には「諦め」「悟り」「割り切り」も重要なのかもしれません」と良子さんは教えてくれました。

<文/みくまゆたん>

【みくまゆたん】

フリーライター兼占い師。数々の婚活経験を元に、大手メディアや出版社などで恋愛、婚活、占いコラムなどを執筆中。

Twitter:@mikumayutan