年金受取開始後、契約時に定めた一定期間中、被保険者が生存している限りずっと年金を受け取ることができます。
人生100年時代に備えるには、「終身年金」や「保証期間付終身年金」が安心です。
トンチン年金の特徴
名称は、イタリア人のロレンツォ・トンティが考案した保険制度に由来しています。
通常の個人年金保険では、年金受取開始日前に死亡した場合、それまでに払込済みの保険料に応じ、死亡給付金を受け取ることできます。
一方で、現在の日本で販売されているトンチン年金(加入可能年齢は50歳以降)は、死亡時の保障を抑え、さらに年金受取開始日前の解約払戻金を通常の70%など低くして、その分を生きている人の年金原資に回すことで、長生きしたときにより多くの金額を受け取れる仕組みになっています。保証期間付き終身年金や保証期間付き有期年金(30年など長期)があります。
トンチン年金の保険料についても、一般生命保険料控除とは別枠で、所定の要件を満たせば個人年金保険料控除(所得控除)の適用が受けられます。
たとえば、K社のトンチン年金(保証期間付有期年金)を見てみましょう。
年金額10万円、年金支払期間30年、保証期間20年、年金支払い開始年齢70歳の契約内容で、50歳女性が加入した場合の月払い保険料は1万340円となっています。
払込期間は20年間なので、保険料払込総額は248万1600円となります。
したがって、保証期間中(70歳~90歳)のすべての年金200万円を受け取った場合の返戻率は80.5%、年金支払期間中(70歳~100歳)のすべての年金300万円を受け取った場合の返戻率は120.8%です。
受取総額が払込総額を超える年齢は約95歳です。95歳より長生きすれば、保険料払込総額よりも多くの年金を受け取ることができます。