出典:日本銀行「昭和40年の1万円を、今のお金に換算するとどの位になりますか?」 より筆者作成
明治34年(1901年)と令和2年(2020年)を比較しましょう。明治34年当時の企業物価指数は0.469、令和2年の指数は675.5です。
675.5(令和2年)÷0.469(明治34年)=1440.3 約1440倍
2つの値を割り算することで、1円の価値には約1440倍もの差があると分かります。つまり、明治34年の100円は、令和2年では約14万4030円の価値に相当し、5円のお小遣いは、現在の約7000円に相当するということです。
身近なお金やモノの価値の変化
過去には、缶ジュースの価格が80円のときもありました。現在では自販機で購入しようとすると120~160円ほどします。今と昔で中身がそれほど変わっていなくても、ジュースの原材料や容器など、缶ジュースを作るうえで必要な材料費などが値上がりした結果、販売価格が高くなってしまったのです。
まず、缶ジュースの原材料費には食品や缶・ペットボトルなどの包装材料が該当します。次に、製造費として、製造にかかる人件費や設備費用、製造過程で必要になる燃料や光熱費などが必要です。最後に販売費として、缶ジュースを運ぶトラックのガソリン代や広告宣伝費、経費などがかかります。
このように、缶ジュース1つにも、さまざまな費用がかかっており、どれか一つでも高騰すると商品自体の価格を上げざるを得なくなってしまいます。つまり、単に原材料費の高騰による値上がりだけではなく、さまざまな原価費用が時代の移り変わりにより少しずつ上昇してきた結果、商品価格の値上げにつながったということです。
明治34年の100円は令和2年の14万4030円の価値がある
明治34年の100円は、令和2年の14万4030円に相当する価値を持つといえます。この差は、企業物価指数を基に計算されたものです。また、5円のお小遣いは、現在では約7000円と同等の価値があります。
これらの比較から、お金の価値が物価の変動によって大きく変化してきたことが分かります。時代ごとの物価や金銭価値を理解することで、過去と現在をつなぐ経済の流れをより深く理解できるようになるでしょう。