2020年1月のアンドリュー王子(C)GettyImages

 英王室における最大のトラブルメーカーであるアンドリュー王子が、中国共産党のスパイで「H6」と呼ばれる中国人実業家と親しい関係にあったことが明らかになった。

目次

・中国共産党のスパイ「H6」とは?
・チャールズ国王が「今後の援助を打ち切る」可能性も
・引っ越し先はヘンリー王子夫妻が使っていた物件?

中国共産党のスパイ「H6」とは?

 英BBCによると、中国共産党のスパイ「H6」の名前はクリス・ヤン(Chris Yang, Yang Tengboという名前も使っている)で、年齢は50歳。海外における祖国統一工作、非共産党員の幹部養成などを行う中国共産党中央統一戦線工作部に所属しているという。

 若手官僚を経て、2002年イギリスに留学。05年に英国でコンサルティング会社を設立し、ほかにも英国にある4つの会社の取締役を務めていた。

 イギリス保安局(MI5)は彼が怪しいと目をつけていたようで、21年11月にクリスを英国国境で足止めし、その際に電子機器などを没収。22年2月にクリスが英国政府にデータの返還を求める申し立てをし、いったんは勝訴したものの後に敗訴。23年3月に当時の保守党政権が、「イギリスの国家安全保障を脅かす可能性がある」として、国外への追放を決定した。

 クリスは「英国は第二の故郷」だと入国禁止を取り消すよう裁判を起こしたが、先週、却下されたという。

アンドリュー王子が「一番信頼している」「人間関係の頂点にいる」

 アンドリュー王子は、このクリスを自分のビジネスアドバイザーに起用。クリスは20年に開催された王子の誕生日パーティに招待されたほか、「中国で協力者や出資者になり得る人物」に対して、王子の代理人を務めることも許可されていたいう。

 公の場で一緒にいることも多く、ツーショット写真もたくさんあり、親交の深さをうかがい知ることができる。