さらに、キャスティングそのものが絶賛されたのは、12月5日に7~8話の配信スタートと共にSNSでも発表された二宮和也だ。二宮が演じるラスボス的な役回りの「カミキヒカル」は、実写ドラマ版での登場シーンはまだごくわずかではあったが、その少ないセリフからも原作にあったサイコパス性が醸し出されており、本格的に物語に割り込んでくるであろう実写映画版への期待を高めることができる。
また、主人公の2人である「星野アクア」役の櫻井海音と「星野ルビー」役の齊藤なぎさもまた、役にピッタリなキャスティングおよび演技が称賛されており、2人ともがなるほど「齋藤飛鳥と二宮和也の子ども」に見えるほどのルックスの美しさと、絶対的なアイドルの資質を感じさせる様は、もはや奇跡的にも思えた。
◆新たな驚きと感動のあるアレンジも
脚本に原作者の意向が反映されていることも重要だ。井元プロデューサーによると、赤坂アカは脚本開発をはじめ、さまざまなタイミングで意見を言い、時にはメタフィクション的な表現を面白がって、自身からさかんにアイデアを出していたそうだ。前述した原作で問われた「原作改変」を、実写ドラマという媒体で示すことで、むしろ真正面から向き合うという構図もある。
ドラマ独自の構成の上手さにも感服した。原作漫画を大胆に刈り込みタイトに仕上げつつも、絶対的に大切な部分は外さない取捨選択、提示するエピソードの順番の変更、またドラマ独自のシーンなどが、キャラクターの心理描写をより鮮烈にし、原作やアニメを楽しんだ身としても新たな驚きと感動があったのだ。