「『偉そうに役者面しやがって』と思ってた」とかボロカスに言ってくれたら助かるなと思いつつ、やっぱちょっと気になるから、「あいつ、どんな感じだった?」って周りに探りを入れてみたんです。そしたら、「ぜんぜん納得してた」みたいなことを言ってたらしくて(笑)。「その映像、ライブで使えないじゃん」と思いましたけど。
◆R-1準優勝を見て「うわー、きたよ」
――小浦さんがピンネタを作り始めたのは、「R-1ぐらんぷり2008」の数年前からですか?
田口:そうですね。たぶん、舞台の中で「ピン芸人ならこういうことがやれる」みたいなことを何本か試してたんじゃないですか。もうその当時は、カッコいい時代から打って変わって太ってたんですよ。だから、俺のことを「最強のライバルだ」って言いいながらやってました。人生って面白いですよね。
芋洗坂係長としてR-1決勝に出る前日、俺に電話が掛かってくるんですよ。「決勝まで残ってる」って言うから、「すげぇじゃん! お前、絶対やらかしてこいよ。絶対大丈夫だから」って伝えて。そしたら、準優勝したんですよ。あのときは嬉しかったですね、放送を見ながら「うわー、きたよ」って。
――「やっと」という感じでしょうか。
田口:小浦は自分で劇団を作ったりとか頑張ってる時期があったんです。しかも、メインの劇団員が2人とかだし、2つの劇団をやったので大変だったと思います。
芝居って時間と労力が掛かるうえに、本当にお金にならないんですよ。その期間も観客として観に行ったりはしてたんですけど、なかなかうまくいかないのはわかるし。そんな中、芋洗坂係長でバーンといったので本当に感慨深かったです。
さまぁ~ずとかもそうだけど、本当に苦楽をともにした同志がグーッと売れていく姿って何度も見てきたから。同期でも後輩でも、才能のある人たちを見ると「今は売れてなくても、この人は絶対大丈夫だ」っていうのが僕にはわかる。だから、ずっと相方に対する心配はなかったですね。