「そして帰り際に皆んなで片付けをしながらバタバタしている時、翔太さんと2人きりになる瞬間があって『話していて本当に楽しかったからLINE交換してもらえない?こんなのバレたら桃代さんに殴られそうで怖いんだけど…』とこっそり話しかけてくれたのが可愛らしくて、桃代と健治さんにバレないように交換したんです」
そのこっそり感が楽しくなってしまった千夏さんは、毎日のように何回も翔太さんとやり取りするようになったそう。
「そしたら翔太さんの好物がビーフシチューだというので、だったら私が作りに行くよという話になり、休みの日が合わないので大変でしたがなんとか調整して初めてのデートをすることになったんです」
◆初デートは「もう付き合っているかのようないい雰囲気」
デートの当日、2人は待ち合わせをしてスーパーに行き食材を調達し、翔太さんの部屋に向かいました。
「まるでもう付き合っているかのようないい雰囲気でしたね。ちょっといきなり家に行くのはどうかな?という不安もありましたが、桃代の友達ということで、まぁ大丈夫だろうと思いました」
幸いビーフシチューは千夏さんの得意メニューだったので、圧力鍋を持参して腕を振るったそう。
「翔太さんは『おいしい、おいしい!』と大喜びで食べてくれました。そしてあっという間に平らげて、おかわりすると席を立ったので、私は食事を続けながら微笑(ほほえ)ましい気持ちで彼の後ろ姿を見守っていたんです」
◆幸せな空気が一変
そしてテーブルに戻ってきた翔太さんを見て、千夏さんは「えっ?」と思わず声をだしてしまいました。
「翔太さんがよそったビーフシチューは、お肉がゴロゴロ入っていて…ていうか肉しかないというか、鍋の中のお肉が全部入っている感じだったので、つい『どうしてそんな自分本位なよそいかたをするの?』と聞いてしまったんですよね」
ですが翔太さんはキョトンとして、何がいけないのか分かっていない様子だったそう。