もちろん、一部には若者の流行を追いかけて、鮮度の高い自分でいようとするおじさんもいないわけではないと思いますが、かなりの少数派ではないでしょうか。

◆なぜ「パーカーおじさん論争」はここまで燃え上がるのか

――このパーカー問題、SNS上ではホリエモン氏やひろゆき氏の意見で「論争」にまで発展しました。

角:ホリエモンさんやひろゆきさんは、先にお伝えした「人に見られるかどうかを気にしないで楽な服を着ているおじさん」なので、余計に反論したのだろうなと思います。

今回は「パーカー」という老若男女に広く着られているカジュアル服だからこそ、多くの人を刺激しました。もしそうではなく、例えば昔のギャル男よろしく「タイトなダメージデニムにとんがりブーツのおじさん」の話だったら、ここまで論争が盛り上がることもなかったかもしれません。

◆商談でパーカーを着るのはアリ? パーカーのTPO問題

――妹尾氏はその後「ちなみにこれ『商談の際などにパーカー着てる会社員のジジイなんなん?』って話だったのが『ジジイはパーカー着るな』という形で拡散されてしまったんだけど」と発信しています。パーカーを着る際のTPOについては、どう思われますか?

パーカーを着た男性
角:今回は妹尾さんの対談先がスーツ出社が必須ではないIT企業だったというのもあり、その業界特有の服装自由な在り方について是非を問われたのかなと思います。業界によってルールは大きく異なるので、職場がそれをOKとしているならば、パーカーを着る自由があっても良いのではないでしょうか。

私が仕事でお会いするWEBデザイナーさんや動画クリエイターさんなども、年齢問わず商談時は基本カジュアルな服装です。TPOを気にするべき場といえば、リリースイベント、レセプションパーティと呼ばれるようなオフィシャルな行事ではスマートカジュアルに切り替えるかなぐらいです。

とはいえ、ヨレヨレ・シワシワのパーカーを着ているとなったら、それは清潔感という意味で公的な場にそぐわないとされますよね。見る人に不快感を与えない程度の清潔感がある服装で、それが企業の規則に反しないのであれば、私が言うまでもないですが、おじさんがパーカーを着ていたって何も問題はありません。