『おむすび』と『ちゅらさん』の俳優父子の共通点をこうやって連動させて見る楽しみというのもあるんじゃないか。余談だが、井筒和幸監督の『のど自慢』(1999年)は、北村有起哉と北村和夫の名前が並ぶクレジット共演作である。

 ふたりが同じ画面上を共有しているわけではないのだけれど、おじいさん役の北村和夫が作品タイトルになっているのど自慢大会で、バリトンボイスの喉を鳴らす歌唱場面が大団円として描かれている。

 同作での共演を起点として、俳優である息子へとディープな声の魅力が受け継がれている。

<文/加賀谷健>

【加賀谷健】

音楽プロダクションで企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆している。ジャンルを問わない雑食性を活かして「BANGER!!!」他寄稿中。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu