新人脚本家のシナリオがラジオドラマに採用されたものの、現場ではプロデューサーの都合や出演者のワガママによって脚本が捻じ曲げられ、物語があらぬ方向に進んでしまうというものです。映画で脚本家を演じた鈴木京香の「ホンの通りにやってください!」という叫びを覚えている方も少なくないと思います。

 この戯曲は、三谷自身がフジテレビの『振り返れば奴がいる』に参加した際、自分の脚本がどんどん勝手に変更されていくことにショックを受け、その体験をもとに書いたとされています。往々にして、ドラマの世界ではそういうことがあるようです。

 しかし、『振り返れば』の三谷はコメディしか書いたことのない新人だったし、『ラヂオの時間』のみやこさんも新人でした。『おむすび』の根本ノンジさんは55歳、キャリア十分の大ベテラン、しかも調理師免許を持ってて、特に食事シーンにこだわりがあるんだそうです。

 そんな方が、どんな扱いを受けているのかと想像すると本物の闇を見る思いです。逆に、根本さんが自由に健筆を奮っていてこれだというなら、それはいろいろごめん。

(文=どらまっ子AKIちゃん)