東京都の赤坂・溜池山王から徒歩5分程にある「Restaurant & Bar FUGA」では、若手作家・白石効栽氏の展示会“目の中の壁” 白石効栽 FUGA Dining Exhibitionを、7月16日(火)から開催中。当初の開催期間は10月31日(木)までだったが、好評により2025年1月10日(金)まで継続開催されることとなった。
現代アートをもっと身近に
身近に感じるダイニングで展示することで、普段触れる機会がない現代アートに触れて欲しいという思いから始まった“FUGA Dining Exhibition”。
毎回、若手作家にフォーカスを当てるこの企画展では、ダイニング店内を作家の世界観で作り上げ、普段アートに接点がない人にも“作家を知るきっかけ、現代アートを購入するきっかけ、コミュニケーションのきっかけ”になるような場として提供。多くの人から支援される場として、多方面の業界の人々が集まっている。
今回展示するのは、京都芸術大学大学院を修了した注目の作家・白石効栽氏による作品だ。白石氏は長野県出身の1998年生まれ。2022年に京都芸術大学美術工芸領域を卒業し、2023年に京都芸術大学大学院美術工芸領域修士課程に在籍。これまで数々の2人展やグループ展に参加している。
作品のモチーフは、ニコラ・プッサンの風景画
そんな白石氏が“目の中の壁”で出展する作品のほとんどは、ニコラ・プッサンの風景画をモチーフに描かれたものだ。白石氏は「彼の作品を見ていると、自分の幼い頃に体験した、暗い部屋の窓から山の色の光が入ってきて部屋全体が薄っすら緑色になった光景を思い出します。なので彼の風景画をその山の光のように、もしくはカメラオブスクラによって壁に映し出された光としてみたて、その光をなぞるように描きました(一部抜粋)」と語る。
カメラオブスクラとは、暗い部屋の小さな穴から壁に外の光景が映し出される装置。目が見える原理もその装置と同じで、光が眼底に映し出されているという。白石氏は描いている最中にそのことが頭の中をよぎり、だんだんと目の中の壁にその光を描いているように感じたとのこと。