一方「週女」は離婚後の恋多き中山の恋愛遍歴を紹介しつつ、息子を呼び寄せるために芸能活動に力を入れていたなどと、微妙にバランスを取っていることがうかがわれる。
しかし既存のマスコミはまだ抑えられるかもしれないが、ネットがこれだけ浸透し、今ではそれだけでは情報統制は難しい時代になった。大手芸能事務所の恣意的な情報統制力や影響は弱まったが、しかし根拠なき玉石混交のネット情報もあふれる――。そんな時代が進んでいる。
嵐・大野智の騒動、ジャニーズ事務所によるマスコミ言論統制の余波
そして次もSNS絡みだ。11月下旬、嵐の大野智が“大麻取締法違反で逮捕された”との情報がSNSで拡散され、芸能マスコミまでが裏付けに動く騒動に。
そして「女性セブン」によればSTARTO ENTERTAINMENT(旧ジャニ)はこれを事実無根として「悪質な記事やSNSの投稿に対しては法的措置を取る」と宣言したという。これもつくづく“時代の変遷”を実感する事柄だ。
そもそも大野と大麻に関しては、過去にも“ある騒動”があった。08年8月、「週刊現代」(講談社)が大野智の3Pと大麻吸引疑惑を報じたからだ。しかし大野はこれを否定したため、薬物検査などは行われず。さらに、国民的アイドルの超ド級のスキャンダルにもかかわらず、後追いするスポーツ紙・テレビ局は皆無で、“なかった”ことになっていたのだ。
もちろんその背景には、当時のジャニーズ事務所の絶大な影響力がある。事務所を支配する“性加害”ジャニー喜多川氏と姉で女帝といわれたメリー喜多川氏がご存命の当時、これを追求するマスコミなどほとんどなかったからだ。
そして現在――。暴露系インフルエンサーによるこの情報。今のところフェイクニュースとして断じられているが、こうした情報が蒸し返されるのも、過去の週刊誌による疑惑報道を検証することなく、うやむやにして放置して、“なかったことに”してきたツケが現在に回ってきたのではないか。ジャニーズ帝国の言論統制と崩壊の余波でもある。