バスルームでの死亡、さらには直前まで事務所スタッフと連絡を取っていたという情報、そんないくつかの不確かな情報が錯綜したため、それら情報を受け取った人々が根拠なく勝手に推測し、それをネットなどに流した。

 しかし今回のことでさらに驚いたのは、バーニングプロダクションの情報操作の衰えと芸能界における支配の変遷だ。中山の所属事務所ビッグアップルは強面で知られる芸能界のドン・周防郁雄社長率いるバーニング系の事務所だ。

 これまでも中山の熱愛スキャンダルや、離婚騒動の際にも御用マスコミに情報をリークし、中山に都合のいいストーリー作りに勤しんできた。たとえば2014年の辻仁成との離婚についても“女性のようなロングヘアにするなど外見が大きく変貌”“中性化した”など“辻のキモイ容姿が原因”とさかんにリークされ、報じられた。

 中山に限らずバーニング系(B系)はマスコミへの影響力を駆使し情報操作を繰り返し、そして所属タレントの都合のいい情報、美化するような記事を御用媒体に書かせてきた。そんな情報操作のプロのはずのB系が、今回は情報コントロールどころか、一般人も訝るような不可解な情報を発信したり、そのことで“何か隠しているのでは”と疑惑の目で見られ、それをSNSで発信された。そしてアンダーコントロールに陥った。中山の死の直後の混乱は、こうしたことが一因だったのではないか。

 実際その後、中山の死因が“不慮の事故”だと判明した際の発表文書には、「報道関係者の皆様におかれましては、ご遺族および関係者のプライバシーを尊重し、取材や報道につきまして慎重にご対応いただきますようお願い申し上げます」とあった。

 わざわざ公式サイトで“報道関係者”に訴えなければいけないほど、その影響力が衰えたのかとびっくりしたくらいだ。

「女性自身」と「週刊女性」の追悼記事には配慮が

 それでもって女性週刊誌だ。「女性自身」と「週刊女性」が追悼記事を掲載したが、「自身」では中山が14年の離婚後、一度も息子(現在20歳)に再会することはなかったことを報じている。とはいえ、「“自分のことを恨んでいるかもしれないけれど、もう一度会って赦してもらいたい”という思いを抱いていたのではないでしょうか」という中山の知人の匿名コメントを紹介し、一応の配慮を見せた。