とにかくプロに行ったら「結婚すっぺ」と翔也。結は「けっこん……?」と、また呆けた顔をしています。神戸に来たとき、翔也は結の目の前で結パパ(北村有起哉)に「結婚するつもりで交際している」と宣言していましたが、忘れちゃったのかな。

■徹底的に努力を見せない

 と、全編にわたってコント仕立てだった今回。調理実習や献立作り、炊き出し、ナベさんとのコミュニケーションといった真面目に取り組まないと他人に迷惑をかけたり嫌な思いをさせたりする場面で結が不真面目だったりするとムカつくわけですが、こっちは結がちゃんと就職できようができまいが知ったこっちゃないので、勝手に不真面目に面接を受けていても別に腹が立つことはありません。翔也の「結婚すっぺ」についても、別にそういう女の子が好きならそれでいいんじゃないの? と思うだけ。

 とにかく、このドラマは結という主人公に努力をさせようとしません。目標に向かって一生懸命がんばる、というシーンがひとつもない。結は徹頭徹尾お気楽かつ受け身で物事に向き合い、周囲が必死で結をフォローするという構図が続いています。そしてエピソードがまとまるころになると、結に神通力が宿って何もかもを解決していく。

 おそらくは、それがドラマ側の考える「ギャル」というキャラクターなんだろうな、と思うわけです。悩むことはあっても、がんばることはない。「死んでもダサいことをするな」というギャルの掟からいえば、がんばってる人をダサいと思ってる。

 出番は短かったけれど、スズリンはネイルに、タマッチはダンスに、リサポンはギャル史の研究に向かってちゃんとがんばっていたことは伝わってきてたのに、ムスビンこと結だけがギャルの中でも「がんばる」を免除されている。役柄として気を使われすぎて、逆に結というキャラクターが損をしている。そうして、誰が見ても道化としか映らない姿を全国にさらしている。

 こういう状態を指して「裸の王様」というんでしょうね。不憫なものです。

(文=どらまっ子AKIちゃん)