親の不動産の相続は、アラフォー独身貴族女子にとって頭が痛い問題になることが多いです。なぜなら、不動産の相続は相続時の名義変更や相続後の固定資産税などの費用や思わぬ手続きが発生するため。そこで、親が生きているうちに、やっておきたい対策をご紹介します。

思わぬ負担に!不動産の相続が重荷になるケース

(写真=PIXTA)

不動産を相続する際は、法務局に名義変更の手続きを行う必要があります。しかし、親が相続時に名義変更をしておらず、子どもの相続で思わぬ負担が発生するケースがあります。

著者の知人の司法書士によると、亡くなった両親や祖父母の名義にしている不動産は珍しくなく、中には4代前のご先祖の名義になっている例もあるとのこと。

極端な例ですが、4代前から名義変更されていないような土地を今からしようとすれば、十数名分の戸籍謄本を取り寄せた上で、手続きのために20名以上の実印と印鑑証明書が必要な場合があるそうです。手続きの煩雑さもさることながら、かかる費用も大きく、相続人の負担は計り知れません。

不動産の名義変更が放置される2つの理由

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不動産の名義変更が放置されてしまう理由は2つあります。

1つは、移転登記を行わなくても、ペナルティがないことです。不動産には固定資産税が課税されるので名義変更されないままだと、死亡者に請求されます。しかし、家族が代わりに支払えば、役所から特に指導されることはないのです。

2つ目は、移転登記にかかる手数料。移転登記手続きを司法書士に依頼した場合、数万円の報酬がかかります。相続人が自分で行う場合も、法務局に登録免許税を納めなければなりません。

ペナルティもなく、手続きをすれば費用がかかるのでは「やらなくてもいいか……」と感じる人が出てくるのも納得ですよね。

なぜ?不動産相続で名義変更が必要な理由

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不動産には、建物と土地の2種類があります。建物や土地は、見ただけでは誰のものかわかりませんよね。家がその人のものであっても、敷地は他人から借りている場合があるからです。

このため、不動産は登記制度を利用し、建物や土地が誰のものであるか明らかにしているのです。

登記は、不動産の持ち主を明確にするための制度なので、持ち主が亡くなった後は、その不動産を引き継いだことを届けなければなりません(名義変更)。

名義変更をすることで、不動産に関する交渉時に、持ち主が死者のため交渉ができない事態を防ぐことができます。