実際、あやかんが全てを受け止めてくれるギタりんに傾き始めていたのは間違いないでしょう。「なんでも受け止めてくれる」という男の態度は女性の中で「強さ」に変換されるため、ギタりんが強さを見せ続ければ告白が成功した可能性は十分にあったはずです。
しかし、告白に対して「ギタりんとは大親友でいたい」と言ったあやかん。オレはこれまで、数々の婚活サポートをする中で女性から「いい人なんだけど、結婚するまでの気持ちになれない」という言葉をたくさん聞いてきました。この「いい人」とは、つまり「人としてはいいけど、男としては弱くてグッとこない」ということなのでしょう。
正直、オレはここでのギタりんの振る舞いを見て、めちゃくちゃ歯痒かった! なぜなら、この「親友でいよう」の提案を受け入れてしまったから。
あやかんのこの返事は「恋愛はしないけど依存先は残したい」という保守的でズルい選択といえます。おそらく自分がギタりんだったら、この提案は絶対に受け入れず、「友だちには絶対にならない。この里を一緒に出てずっと一緒にいるか、二度と会わないかのどちらかだ」と言ったと思う。
退路を断って決断を迫り、もう一段上の強さを見せることによって、女性が「二度と会えないのはさすがにつらいから、付き合ってみようか」と考え直すこともあるでしょう。逆に二度と会わないことを選んだ場合、彼女の本気の決断であるため、男も気持ちよく別々の道を行けるのです。ギタりんがこれをできなかったのは、見ていて悔しかった……もう一押しいけたぞギタりん!
心震えるシーンから歯痒いシーンまで、見どころが盛り沢山だった最終回。男女関係は複雑な要素が絡み合うので、スペック的に不利な面があっても戦い方はあるとオレは信じています。この連載が、誰かの愛の手助けになれば幸いです。
愛に挑戦する姿はもれなく美しいのだから――。