メグもメイもいろいろすっきりして、リョウは安心したようです。3人で昔話をしながら散歩する昼下がり、これからもずっとこんな暮らしが続けばいい。そう思っていたリョウですが、家に帰るとメグの元カレである大河(渡辺大知)が待っていました。

 メグに復縁を迫る大河。しかしメグはそんな大河を一蹴すると、自分は新しく付き合い始めた新聞記者と同棲したいと告白します。その告白を真剣に聞くリョウ。その場にはまだ大河がいますが、もう誰の眼中にも入っていません。メグがもう大河を「まったく好きではない」という明確な拒絶です。さらにメイまでパリに留学すると言い出し、リョウはひとりぼっちになってしまうことになりました。

 沼田やメグのように、相手を「まったく好きではない」のであれば、話は簡単です。しかし、リョウの場合はそうもいきません。

 姉妹と別れることになり、もうリョウには親友のリツ(一ノ瀬颯)しかいなくなりました。結婚にも恋愛にも興味がないリョウのことをもっとも理解してくれる男友達だったリツ。そのリツが最近、やんわりとアプローチをしてきていることはリョウも気付いていましたが、いよいよ決定的な場面が訪れてしまいました。

 夜の公園でひとしきり子どものように遊んだ後、リツはリョウにプロポーズします。「リョウにも僕が必要だろ?」「家族だって喜んでくれる」。あらゆる角度から迫るリツの言葉はすべて本気だし、リョウにリツが必要であることも、家族が喜んでくれることも間違いありません。

 それでも、リョウは首を縦に振ることができません。あくまで「友達でいたい」と言い張るリョウを残して、リツもまた立ち去ってしまうのでした。リョウはリツのことを「まったく好きではない」なんてことはなく、むしろ大好きです。でも、結婚とか恋愛とか、そういうのは無理。その拒絶はリツにとっては理不尽に映りますし、リョウにとってもまた最大の理解者を失うことになるのでした。

■制御不能な感情