いやー俄然盛り上がってまいりました『ライオンの隠れ家』(TBS系)も第9話、残り3回となって、プロデューサーの松本友香さんが取材に応えて「今回の9話は、ちょっとだけ覚悟のいるビターな回かもしれません」とおっしゃっているニュース記事がありましたが、「ちょっとだけビター」なんてもんじゃなかったね。ビッタビタにビターでした。

 振り返りましょう。

■向井理おいしいです

 ヒロト(柳楽優弥)が逃亡先のペンションに戻ってみると、部屋は荒れ放題。愛生(尾野真千子)とライオン(佐藤大空)は姿を消しており、みっくん(坂東龍太)はパニック中。どう考えても、DV夫の橘祥吾(向井理)の仲間の顔が怖いやつ(後藤剛範)が連れ去ったに違いありません。

 その顔が怖い樺島のアストロの後部座席で、手をつないで覚悟を決めたような顔をしている愛生とライオンくん。フェリーが佐渡から本州に到着すると謎の男「X(岡山天音)」がクルマの前に立ちふさがりますが、怖い樺島にひとひねりでやられてしまいました。「X」もまた、過去にDV被害を受けていたようで、樺島の暴力でフラッシュバックを起こしていました。

 フェリーの着いた直江津から橘祥吾の待つ山梨までロングドライブとなった愛生とライオン。実は、樺島は暴力的に2人を連れ去ったのではなく、橘祥吾が「離婚の手続きをしたいから連れてきて」とお願いして迎えにきていたのでした。部屋が荒れていたのは愛生が抵抗したからでしたね。このへん、上手いなぁと思いました。荒れた部屋を見せておけば「強引に連れ去られた」とミスリードできるし、それが愛生の抵抗によるものだったとしても「愛生ならやりそう」というキャラ付けができている。ホント、細やかな演出が効いてます、『ライオンの隠れ家』。

 料理旅館で待っていた橘祥吾はおとなしく離婚届を出し、届けに行くまで一緒にいたいと申し出たようです。「X」とヒロト、みっくんは橘の自宅を訪れますが、すれちがってしまい、一旦茨城に帰ることに。