新型コロナウイルスの影響を受け、大手企業などで賞与が支給されないことが多数報じられる一方で、賞与を受け取れる場合でも、将来への不安も先立って全てを貯蓄にあてようと考えている人も多いでしょう。賞与の有無や金額は企業や個人によって異なるものの、賞与はどのように使うべきか考えてみましょう。
今冬の賞与は軒並み減少!
全労連(全国労働組合総連合)などが、加盟する労働組合などに対し2020年の冬の賞与について調べたところ、回答のあった企業の約半数で去年よりも引き下げられることがわかりました。
コロナ禍の中で多くの企業の賞与カットが報じられており、例えば主力事業であるテーマパークを休園した影響が大きいオリエンタルランドは、正社員・嘱託社員の冬の賞与を7割削減すると発表しています。また、ANAやJTBなど一部の上場企業でも、冬の賞与自体を支給しないことを発表しました。
企業の状況によって、賞与を受け取れるかどうか、いくら受け取ることができるかは変わってきますが、全体的に減少していることは明らかのようです。
そもそも賞与ってなに?
業績が悪い場合に予定されていた賞与が支給されない企業もありますが、もともと賞与の支給がない企業もあるでしょう。
賞与とは大きく「業績賞与」と「決算賞与」にわけられ、業績に応じて(好調な場合に)支給されるのが一般的です。賞与の支給は法律で定められているものではありませんが、賞与は働く人のモチベーション維持に有効とも言われ、就業先を検討するときには賞与の有無を確かめる人も多いでしょう。
昨今の厳しい状況の中、幸いにもこれまでと同様に賞与を手にすることができた場合、その使い道についてどのように考えればよいのでしょうか?
みんなの賞与の使い道
共通ポイントサービス「Ponta(ポンタ)」を運営する株式会社ロイヤリティ マーケティングは2020年9月に「第43回 Ponta消費意識調査」を実施しました。この調査では「2020年・冬のボーナスの使い道」を尋ねており、回答で最も多かったのが「支給されない、わからない」で46.4%、続いて「預貯金」が38.0%でした。
(上位5位)
預金・貯金:38.0%
旅行(宿泊を伴うもの):6.9%
外食(食堂・レストラン・和洋中ほか専門店):5.1%
食品(ふだん食べるもの):4.6%
衣服:3.8%
*「Pontaリサーチ」調べ
また同調査では、預貯金と回答した人のうち用途が決まっている人を対象に、その内容を質問したところ、「老後の生活への備え」が58.1%、次いで「将来の消費への備え(住宅購入、子どもの学費など)」が53.1%を占めました。
賞与の上手な使い方とは
前述のように賞与を預貯金へ回そうと考える人の多くが、老後や将来への備えのためと回答している一方で、貯蓄だけが将来へ向けたお金の使い方とは限りません。“もしも”に備えてお金を貯めることは大切なことですが、「お金を貯めること」が目的になっていると「貯蓄疲れ」を招いてしまうことも。
そこで賞与の使い道を一括りで考えず、「使う」「貯める(貯蓄)」「増やす(投資)」のようなカテゴリにわけて使い道を考えてみましょう。カテゴリに決まりはありませんが、大きくこの3つに配分することで将来や万が一の事態にも備えながら、モチベーションアップ、さらには資産形成に取り組むことが可能です。
受け取った賞与を各カテゴリにどのような比率で配分するかは人それぞれですが、ここでは一例を挙げてみましょう。
使う:20~30%
貯める(貯蓄):40~50%
増やす(投資):残りの20~40%
例えば、50万円の賞与が支給された場合は、具体的に以下のような分配となります。
使う:10万円~15万円
貯める(貯蓄):20万円~25万円
増やす(投資):残りの10万円~20万円
続いて、自分の場合はどれくらいの配分がいいか考えるために、それぞれのカテゴリの内訳にどのようなものがあてはまるかチェックしていきましょう。