水産スタートアップのさかなドリームは、市場にほとんど出回ることのない幻の魚「カイワリ」と千葉県南房総産の「金アジ(マアジ)」を親に持つ新たな品種「夢あじ」のテスト販売を、12月2日(月)に開始した。

さかなドリームについて


さかなドリームは、「世界一旨い魚を創り、届ける」ことを目指す東京海洋大学発の水産スタートアップ。日本近海には4,000種以上の魚が生息し、その中には極めて美味であるものの、安定的な漁獲や養殖が困難な「幻の魚」が多く存在している。同社では、世界最先端の品種改良技術や養殖手法を駆使し、これらの魚の“安定生産”と“美味しさの飛躍”を実現を目指している。

抜群に美味しい養殖魚を安定的に供給するために

世界的な人口増加、健康志向の高まり、日本食文化の広がりにより、美味しい魚の需要が急速に高まる一方、日本における天然魚の漁獲量はピーク時の3分の1にまで減少している。

加えて、地球規模の気候変動や海洋環境の変化により、魚の旬や味わいにも大きな影響が生じており、世界各国が「美味しい魚」を奪い合う時代へと突入している。

世界初の新品種「夢あじ」の開発は、天然の一級品に匹敵するような“抜群に美味しい養殖魚”を安定的に供給することで、日本および世界の魚食文化の発展に寄与することを目指して進められた。

養殖魚の概念を変えた「カイワリ」

世の中に存在する天然信仰を打破するような、圧倒的に美味しい養殖魚を世に届けたいという思いから、さかなドリーム共同創業者/東京海洋大学教授の吉崎悟朗氏は、自身が一番美味しいと思う魚「カイワリ」に注目。

「カイワリ」は豊洲市場の仲買人から最も人気がある魚の一つだが、不安定な漁獲量と養殖の難しさから、一般市場に流通することはほとんどないという。

そこで、養殖技術がすでに確立されている「マアジ」を片親に用いたところ、抜群の美味しさと飼いやすさを併せ持つ品種が誕生した。

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