最も有名な作品は『 雨ニモマケズ』だと思うが、ぼくはご子息が本の中で綴っていたある解説文が好きだ。雨ニモマケズの作品において、大切なのは冒頭部ではなく、後半だと。「東に病気の子供あれば行って看病してやり…西に疲れた母あれば行ってその稲の束を負い…南に死にそうな人あれば行ってこわがらなくてもいいといい…」の、「行って」ということ。この「行く」ということが、賢治にとっての実践であり、行動なのだと。そういうものにわたしはなりたい、と、果たしてどれだけ近づけるだろうか。
(仁科勝介)
写真家プロフィール
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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