1964年8月、軍艦島の地下奥深い坑道で自然発火が起き、死傷者が出る大災害が発生します。火災の起きた坑道を封鎖しようとした作業員たちは二次被害に遭い、さらなる負傷者を出しています。この事故がきっかけで、軍艦島の採掘業は縮小化し、最大時は5000人を超えていた島の人口は、大きく減少していきます。

 最新機械の導入などで効率アップを図り、一時的に持ち直すものの、「大阪万博」が開催された1970年以降は採掘量が減り、1972年には採掘作業が終了。そして1974年に閉山。その年のうちに、島民たちは全員が島から退去します。日本の近代化を支え続けた軍艦島はその役割を終え、鉄平たちの思い出が刻まれた生まれ故郷は廃墟と化していくのです。

 鉄平が「一島一家」と呼び、島民みんながひとつの家族のように喜びも悲しみも分かち合った理想のコミュニティーは、これから終焉へのカウントダウンが始まります。『海ダイヤ』の後半戦は超シビアな展開となりそうです。

主要キャストが次々と姿を消すことに?

 第6話、鉄平が残した10冊の日記を読み、玲央は軍艦島の歴史を詳しく知ることになります。また、日記帳の中に挟まれていた「種子」を見つけます。第6話のタイトルは「希望の種」。鉄平が残した種子は何だったのでしょうか。朝子と一緒に花見をした桜の種でしょうか。もしかすると「希望の種」とは、進平とリナとの間に生まれる子どものことを指しているのかもしれません。

 世帯視聴率は第1話が11.0%(ビデオリサーチ、関東地区調べ)と好調な滑り出しだったものの、第2話は9.3%、第3話は7.0%と下降しています。土屋太鳳演じる百合子の被爆体験を描き、「神回」と高評価された第4話は7.5%と若干持ち直し、第5話は7.4%でした。

 現代パートと過去パートで構成されているため、物語の展開がスローテンポだったことが数字低迷の原因に挙げられています。第6話がずんと1964年まで進んだように、これからはハイスピードで1974年の閉山に向かって進むことになると思われます。