謎の老女・いづみ(宮本信子)の正体が、ついに明かされました。野木亜紀子のオリジナル脚本作、神木隆之介主演の日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』(TBS系)は後半戦となる第6話を迎え、物語は佳境へと舵を切りました。

 1950年代の長崎「軍艦島」と現代の東京の物語が、同時進行する『海ダイヤ』。現代パートで大企業を経営するいづみの正体は、百合子(土屋太鳳)なのか、朝子(杉咲花)なのか、それともリナ(池田エライザ)なのか、大きな謎としてシリーズ前半を引っ張ってきました。

 先週放映された第5話、いづみが次期社長候補に指名した売れないホストの玲央(神木隆之介)は、DNA鑑定の結果いづみの「生物学的孫ではない」ことが分かりました。そして「いづみ」とは名前ではなく、旧姓「出水」のことであり、いづみの現在の本名は「池ヶ谷朝子」だと判明したのです。「軍艦島」の食堂の看板娘だった朝子の60年後が、いづみおばあちゃんだったわけです。

 朝子は幼いころから鉄平(神木隆之介:二役)に想いを寄せていたのですが、結局は結ばれなかったようです。第5話で鉄平の兄・進平(斎藤工)と元ジャズ歌手のリナ(池田エライザ)が急接近後にディープキスを交わしていたことから、進平とリナが結婚し、2人の孫が玲央ではないのかという推測がSNS上では飛び交っています。

 では、朝子は誰と結婚したのか? 朝子に片想いしていた賢将(清水尋也)の姓は「古賀」です。もしかすると、炭鉱長の父親(沢村一樹)と折り合いの悪い賢将は島を出て、離婚した母親の姓を名乗り、朝子を迎え入れたのでしょうか。

 いずれにしろ、映画『タイタニック』(1997年)のレオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットが激しく愛し合いながらも運命によって翻弄されたように、鉄平と朝子は悲劇的に引き裂かれることになりそうです。せつないなぁ。

軍艦島、閉山へのカウントダウン開始

 これまでの過去パートでは、1950年代の賑やかだった軍艦島が描かれてきたわけですが、今夜放送の第6話は時計の針が進み、1964年となります。この年は、アジア初となるオリンピック「東京五輪」が開催され、2021年の「東京オリンピック」とは比べ物にならないほど日本中が大いに盛り上がったそうです。高度経済成長がピークを迎えた年としても記憶されています。しかし、軍艦島で暮らす鉄平たちは大きな岐路に立たされます。