そして今回、能登半島地震や奥能登豪雨の被害を受けた珠洲市・能登町と連携し、自治体内の全小中学校に所属する子どもが「ブリッジ」を利用できるようになった。利用開始から間もないなか、64件の相談が寄せられているとのこと。
相談を行った子どもからは、「部活に前向きに取り組むにはどうしたらいいですか?」「友達がいない」「いじめをする人がいます。先生に言うと自分がいじめられるかもと思いましたが、ブリッジさんに相談して、悩みはすっきりしました。ありがとうございます!!」といった声が届いたという。(※3)
加えて、保護者を対象とした「災害時こそだてサポート」の窓口も開設。被災した地域で、子どもと関わる大人の心のケアにも取り組んでいく。
担当者のコメント
珠洲市の担当者は、「(前略)学校には、子どもが安心できる環境づくりが求められ、また、心のケアが欠かせません。周りの大人も含め自分自身でも気付かないうちに心の傷を負っていることがあります。少しでも早く子どもの変化に気付くためにも、引き続き息の長い支援体制を築いていきます」とコメント。
カタリバ 相談チャット 事業責任者の藤井氏は、「(前略)子ども達は周囲の人には心配をかけたくない、自分が心配な子だとは思われたくないという思いを抱えていることが少なくありません。だからこそ、大人に対面で悩みを話すほどではない、まだもやもやとした霧のような状態の気持ちや感情の揺れ動き、なんとなく人にかまって欲しい、そんな行き場の無い思いに私たちはブリッジさんというキャラクターを通じて寄り添っていきたいと思います」と話している。
能登町 担当者は、子どもたちへ以下のようなメッセージを発信している。
「皆さん、震災から1年が経とうとしています。毎日生活していると、いろんなことがあると思いますが、心配なことや不安なことを、自分の中にため込んでいませんか。ちょっとしたことでも、だれかに聞いてもらうだけで、気持ちが楽になるかもしれません。そんなお手伝いをブリッジさんはしてくれます。ひとりひとりの状況はさまざまですが、ゆっくり進んでいきましょう。どんなことでも気軽に、ブリッジさんに相談してみてください」