ちなみにトーク内容は、アングラ感あふれるライブだけあって、なかなか活字化できないようなものばかり。コンプラギリギリの激しすぎる撮影現場の様子から、室田がある某人気女優に惚れてしまった恋バナなど、秘蔵写真を披露しながらバラエティに富んだ話が乱れ飛んでいた。
そして、会場が爆笑ときどき苦笑という中、スペシャルゲストが参上。もちろん『インフォーマ』といえば、この人、桐谷健太さん!……と思ったら、これもある意味「お約束」であるそっくりものまね芸人・松田幸起が登場。「おい、ポンコツ」などとの決まり文句を、激似の声色とイントネーションで再現してみせ、客席のファンたちを唸らせていた。
六車連合と瀧澤組の面々に、なんちゃって木原を加えたヤンチャトークが最高潮の盛り上がりを見せたところで、第一部は終了。
そして休憩を挟み、あらためてステージに登壇したコワモテの男たち。第一部同様にバカ騒ぎして、会場を沸かせるかと予想されたのだが、みんなの表情がどこか堅い。一体、休憩時間中に何があったのか……。その答えはすぐに明らかとなった。舞台袖からひとりの男が現れたのだ。
男の手にはビール瓶。舞台中央に置かれた椅子にどかりと座ると足を組み、ゆっくりと瓶に入ったビールに口をつけた。貫禄がすごすぎる。そう、今夜のスペシャルゲストである作家の沖田臥竜の登場であった。
沖田は『インフォーマ』の生みの親。今作でも原作・監修を務め、撮影現場でも人一倍強い作品愛を掲げながら、厳しい目で各方面へ指導を行ってきた。
のっけからビールをあおりながら、トークライブに登場する一人の男と、一目置いてそれを見つめるいかつい男たち。なかなか見ることができない光景だが、それは沖田なりの演出だったのだろう。
男たちの表情に緊張がみなぎる中で、沖田の話がスタート。『インフォーマ』の表も裏も知る人間による、オフレコ連発のトークに会場全体が惹きつけられていったのだ。そんな沖田の登場で会場の空気が一変しつつも、自身の作品を脇で支えてくれた役者たちへの気遣いが、その言葉の端々から感じ取れた。前作から続く、インフォーマ・チームの結束力を垣間見られたのだった。