相手の男性も既婚だったが、当時、すでに結婚は破綻しており別居中だったという報道もあった。だが実際には、のちに「仲のいい夫婦だったのに、福原のせいで破綻した」と妻が福原を訴えている(『週刊文春』2022年3月24日号による)。
それを機に、福原・江宏傑夫婦は7月に離婚した。離婚の素地はじゅうぶんにあったのだろう。
◆元夫と泥沼化。父親との関係が影響か
引退後の人生は、ここまででもかなり波乱に満ちているが、福原の迷走はさらに深まる。
離婚後、共同親権となったため2人の子どもは監護権のある夫とともに台湾で生活していたが、福原は22年7月に台湾から日本に長男を連れ帰った。日本のみならず、子どもを連れてシンガポールに滞在していると言われた時期もあった。
結局、23年7月に福原に子供の引き渡しを命じる審判が出されたが、彼女は長男と中国に渡っていたため強制執行ができなかった。元夫は警視庁に対して刑事告訴に踏み切り、受理された。
泥沼化する中、福原側の代理人が「和解」を申し入れ、元夫に息子を引き渡したという。
なぜここまで事態を混乱させたのか。福原が元夫を信頼していなかったのはもちろんだが、そこに至る心理的経緯として、彼女と父親との関係がベースにあるのかもしれないと思わざるを得ない。
◆離婚して自己破産した父の事情で転々と
福原が実力をつけ、間違いなく天才だと言われていたのは14,5歳のころだ。そのとき、彼女を支えていたのは、建設業を営んでいた父親だった。
父は彼女によりよい環境を与えるべく、練習場所を短期間で変えた。仙台、青森、東京、中国……。そうなると落ち着いて練習ができない。コーチもくるくる変わるわけだから、教えるほうも教わるほうも本腰を入れられない。
その裏には88年に倒産、離婚して自己破産した父の事情があった。つまり、福原は人気とともに資金を豊富に出してくれる場所へと移らざるを得なかったのだ。テレビCMに出まくっていた時期があったのも、そういう裏事情によるものだろう。